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スマートスピーカーが普及しないとする考察

このところ Google や Amazon などのスマートスピーカーが話題になっています。しかし、これはどうも普及する気がしないのです。

何故か。それはスピーカーを単体で持っている人がいないから。スピーカーを所有する人は多く、ほぼすべての人が何らかの音が出るものを持っているでしょう。しかしそれはテレビのスピーカーだったり、オーディオセットのスピーカーだったり、あるいはスマホのスピーカーだったり、いずれにしてもスピーカー単体ではなく何かに付属したものなのです。

スマホは広く普及しました。それは多くの人がすでに携帯電話を持っていて、その機能拡張版としてスマホに置き換えられていったからです。しかし、テレビやオーディオセットをスマートスピーカーに置き換えてしまうと、それまで持っていた機能が損なわれてしまいます。それでは置き換えるわけにはいきません。

スマートスピーカーのやろうとしている事自体は革新的だし意味があることです。しかし、今までなかったものがいかに素晴らしいものであるかを多くの人に認識させるためには、今まであったものに付け加えるしかないのです。

そういう意味では、テレビやオーディオセットなどスピーカーを持った機器に当たり前のようにスマートスピーカーの機能が搭載されて初めてスマートスピーカーが普及するようになるのでしょう。そして現状のスマートスピーカー単体は、あくまでも新しい物好きの最先端デバイスでしかないのです。

スマホに関しては既に音声認識などスマートスピーカーの機能が搭載されるようになってきています。スマートスピーカーは技術であって、デバイスではないということです。技術としてのスマートスピーカーが発展すればするほど、単体デバイスとしてのスマートスピーカーの必要性が薄れていきます。

スマートウォッチも普及しそうにない

同様にスマートウォッチも期待されるほど普及していません。昔は腕時計は社会人の常識でしたが、時計を持たなくても正確な時間を知る手段が多く提供されている現在、わざわざ時間を知るためだけに腕時計を着けている人は多くありません。

単に時間を知るだけなら、安価なソーラー電波時計を超える機能を持ったものは存在しませんが、実際にはもっと精度が悪い高価な機械式時計がもてはやされています。それは腕時計が時間を知るものではなく、ファッションアイテムとして用いられているからです。

つまり、時計の形をしていることよりも、埋め込まれたダイヤモンドの大きさのほうが重要なのです。宝飾品として考えるなら、寿命の短い電子部品を使った腕時計よりも、後世に残る機械式時計のほうが価値があります。