Linux ディストリビューションガイド

2021 年 5 月版

Debian

今のところ個人的に一番気に入っているディストリビューションが Debian です。特にちょっと古めの端末には Debian をインストールしています。

よいところ

わるいところ

Ubuntu

Debian をベースに Debian の欠点である最新ハードウェアへの対応と初心者向けの対応がされているディストリビューションです。個人的にも新しいハードウェアには Ubuntu やその派生ディストリビューションをインストールしています。

よいところ

わるいところ

代替案

Ubuntu の標準デスクトップ環境は Gnome ですが、他のものに差し替えた派生ディストリビューションが多くリリースされています。一部は公式フレーバーとして Ubuntu 開発元から公式に認められているので、 Ubuntu の良い部分を活かしたうえで操作性を変えたいならそちらを利用するのもいいでしょう。

ただし、軽量を謳うディストリビューションでも Ubuntu ベースのものはそれなりに重いので本当に軽量な Linux を求めるなら別のディストリビューションを使うべきでしょう。

KDE neon

Ubuntu に KDE デスクトップ環境をインストールした公式フレーバーである Kubuntu を元に、 KDE が最新の KDE デスクトップ環境を提案するためにリリースしたディストリビューションです。 Ubuntu ベースの ディストリビューションで KDE を使いたいなら良い選択です。

最新の KDE 環境を利用できるかわりに、高いハードウェアスペックを要求し、頻繁に機能が更新されるため初心者向きではありません。

Linux Mint

Ubuntu をベースに商用アプリへの対応を強化したり、 Windows に似た操作性を持たせたディストーションです。人気がありますが、個人的にはちょっと合わないところがあって使っていません。

Linux Mint のために開発されたデスクトップ環境である Cinnamon はベースになった Gnome よりも軽快に動作するのが魅力です。他のディストリビューションでも採用されています。

SolydXK

Debian をベースに、 Windows に似た操作性をもたせたディストリビューションです。実際には Windows ともちょっと違う独特の外観を持っていて、 Debian はとっつきにくいけど Ubuntu は合わないというなら試してみるといいでしょう。

Fedora

RedHat の流れを汲むディストリビューションの個人向けバージョンとしては本流です。デスクトップ環境は Gnome が標準ですが、 Ubuntu の公式フレーバーに相当する Fedora Spins があり、各種デスクトップ環境を選ぶことができます。

Debian と Ubuntu のいいとこ取りをしたような面もあるのですが、個人的に RedHat 系は肌に合わないので使っていません。

openSUSE

RedHatと並ぶエンタープライズ向け Linux である SUSE の個人向けバージョンです。もともとは Slackware から派生しましたが、 RedHat と同じ rpm でのパッケージ管理なので Slackware の気難しさとは無縁です。

常に最新版をインストールし続けるローリングリリースの Tumbleweed と、安定運用向けの Leap がありますが、 Leap でも更新は多めです。

Fedora とは生い立ちが違うため、標準デスクトップは Gnome ではなく KDE です。個人的には rpm 系のディストーションの中では一番気に入っています。

OpenMandriva LX

RedHat 派生で一時期は人気だった Mandrake の末裔です。 Mandrake 社が Mandriva となり、そして倒産して一時期は開発が途絶えていましたが、無事復活を果たしました。

RedHat 派生ディストリビューションを使う場合、デスクトップ環境が Gnome なら本流の Fedora を、 KDE なら Mandrake 系の Open Mandriva LX や Mageia がいいでしょう。

Mandrake 派生のディストリビューションとしてはアメリカの PCLinux やロシアの Rosa が人気ですが、いずれも日本語対応が十分ではありません。

Mageia

Mandrake の末裔です。 OpenMandriva LX と違い KDE 以外のデスクトップ環境も用意されています。

Manjaro Linux

初心者には難しい Arch Linux をベースに、ユーザーフレンドリーなディストリビューションを目指しているのが Manjaro Linux です。 Distrowatch でも人気が上位になっているだけあって、たしかに魅力的なディストリビューションです。

インストールも日本語でできますが、日本語での文字入力にはちょっとしたコマンドを実行する必要があります。しかしこれも公式 Wiki の説明に従えば簡単です。

Gentoo Linux

他のディストリビューションとは違い、アプリケーションのインストールはソースコードからのコンパイルとなり、 OS のインストール自体もメニュー形式のインストーラーが存在しないので初心者にはインストールすらできないディストリビューションです。とはいえ、ドキュメントが充実しているのでドキュメントを読み、自分が何をしているかを理解しながらインストールを進めていくと OS に対する理解が深まり、大変勉強になります。

Slackware も同様に OS の勉強になると言われていますが、 Slackware は勉強しなければ先に進めないのに対し、 Gentoo は勉強しながら先に進めるという利点があります。

ただし、必要なバイナリは自分でコンパイルするという性質上、非力なマシンではコンパイルに時間がかかるという欠点があります。

Solus

比較的新しい独立系ディストリビューションです。独自のデスクトップ環境である Budgie が標準ですが、 Gnome や KDE Plasma, Mate を選ぶこともできます。

Solus 独自のデスクトップ環境として開発された Budgie は他のディストリビューションでも採用され、今では Ubuntu の公式フレーバーにもなっています。

Puppy Linux

Pully Linux は軽量ディストリビューションとして人気ですが、個人的には違和感があり、どうも好きになれません。軽量化を優先しすぎている感じがします。インストール不要で使えるので、気が向いた時に気軽に使えるのは大きな利点です。

Vine Linux

純国産 Linux ディストリビューションです。 RedHat 派生ですが、かなり独自色が強く、独立ディストリビューションとして扱われることも多いようです。

長らくバージョンアップが停滞していましたが、結局 2021年5月4日にリリース版の終了がアナウンスされました。開発版の VineSeed は残るようですが、一般向けには終了と考えたほうがよさそうです。

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