Linux デスクトップ環境ガイド

2021 年 5 月版

GNOME

Debian や Fedora で標準となっているデスクトップ環境です。 GNOME2 から GNOME3 になったときに大幅に操作性が変わりました。また、高いグラフィック性能を要求するため旧式のマシンでは動作が重くなります。

GNOME3 ではかつての GNOME2 や他のデスクトップ環境のようなカテゴリ分けされたメニューリストは存在せず、すべてのアプリケーションから選択するかインクリメントサーチによって特定します。コマンドラインでの利用に慣れていればかえって使いやすいのですが、自分が使っているアプリケーションの名前をきちんと把握していないと使いにくくなります。特に日本語環境では日本語名ではなくアプリケーションのコマンド名でサーチするため余計に煩雑です。

これを解消するため、 GNOME Classic という拡張機能があり、この拡張機能を使うと GNOME2 に似た操作性に戻すことができます。ただし、 GNOME Classic を使ったからといって要求性能が GNOME2 の頃に戻ることはないので、旧式のマシンに GNOME を採用するのは控えたほうがいいでしょう。

Budgie

独立系ディストリビューションである Solus によって開発されたデスクトップ環境です。 GNOME3 をベースにしながら、 GNOME2 の操作感を残したものになっています。全体的な操作感としては Mate よりも GNOME3 に近く、 Mate のような保守的なものではなく最新流行を取り入れて GNOME3 とは違った形で進化しています。

Cinnamon

GNOME3 から派生したデスクトップ環境で、標準の操作性は KDE や Windows に似たものになっています。 Cinnamon は GNOME3 よりは随分動作が軽いので、 GNOME3 の動作が重いと感じるなら、 Cinnamon を使ってみるといいでしょう。

Mate

GNOME2 から派生したデスクトップ環境で、標準の操作性は GNOME2 とほぼ同じなため、かつての GNOME2 愛用者から広く受け入れられているようです。ただし、ベースとなる技術は GNOME2 時代の GTK2+ から GNOME3 と同じ GTK3+ へと移行されています。

GTK3+ への移行によって、従来のノスタルジックな操作感だけでなく、最新流行を取り入れた操作感も選ぶことができるようになっています。後述の Xfce と並び、幅広いカスタマイズが可能なデスクトップ環境になっています。

ただ最近では軽快とは言えないデスクトップ環境になっています。

Xfce

古くからあるデスクトップ環境で、実用性と安定性を重視するなら Xfce がいいでしょう。 GNOME3 や KDE よりも動作が軽く、ちょっと古めの端末には最適です。

Xfce は柔軟なカスタマイズ性能で外観を自由に変えることができるため、ディストリビューションによってかなり見た目が違います。また、インストール後も容易に外観を変更できる手段が用意されています。

KDE

Slackware や openSUSE で標準となっているデスクトップ環境です。 Windows に似た操作性と外観を持っているため、 Windows からの乗り換えや併用にも違和感がありません。

最新の Plasma5 は GNOME3 と同じく高いグラフィック性能を要求します。 KDE を標準としたディストリビューションで軽量デスクトップ環境を求める人は Xfce を好む傾向があるようです。

LXDE

軽量デスクトップ環境として人気でしたが、古い GTK2+ を置き換えるにあたって、 GTK3+ ではなく KDE と同じ Qt を採用することにしたため、今後は LXQt になります。

LXQt

GTK2+ を置き換えるにあたって、 Xfce や Mate は正当な後継である GTK3+ を採用しましたが、 LXDE は GNOME とは決別して Qt を採用することにしたようです。

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